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~ 高性能ターボ車の復活? ダウンサイジングターボとは? ~

コーリンオート

更新日:2月25日



1980年代から一部の高性能モデル車に搭載されハイパワーの象徴だった『ターボ』は、燃費の問題などで人気車種も絶版になるなど衰退しましたが、近年では多くのモデルに採用されています。 今回のコラムでは、なぜターボは復活したのか? と位置付けて、1980年代に高性能の代名詞となったエンジン機構の『ターボ』と、『スーパーチャージャー』、『NA(自然吸気)』なども抑えつつ、昔と今のターボの役割や衰退から復活への理由やトレンドを調査します。




『自然吸気エンジン』、『ターボチャージャー』、『スーパーチャージャー』とは?


自然吸気エンジン(NA)

・ノーマルエンジンとは、エンジンの基本形態で、「Natural Aspiration」または「Normal Aspiration」の略で自然吸気エンジンとも呼ばれます。 ・過給器を使わずに、大気圧をそのまま利用してエンジンが空気を吸入する仕組みです。 ・メリットは、低燃費・低排ガスのほか、スロットル操作の反応が良く、アクセルの踏み込みと比例して回転数も上がり直感的な操作が可能となり走行性能が良いと言えます。


ターボエンジン(TB)

・過給器のターボチャージャーを装着したエンジンで、「ターボ」と略されます。 ・ターボチャージャーは、排気ガスを使って圧縮機を回すことで多くの空気(酸素)が燃焼室に取り込み、NAエンジンよりも多くの燃料を生じて出力とトルクが向上します。 ・メリットは、高出力と高トルクで、小型車でも力強い加速を実現します。 ・近年では、エンジンや部品がコンパクトで精度も向上した恩恵で、ダウンサイジングターボと呼ばれるコンセプトで、ターボチャージャーがパワー不足を補いながら、環境性能と走行性能のバランスを取っています。


スーパーチャージャー(SC)

・エンジン動力で圧縮した空気をエンジンに送り込む過給機の一つで、クランクシャフトからベルトなどで駆動され、エンジンの回転数に連動して動作し、エンジンパワーを高めます。 ・メリットは、アクセルレスポンスが良く、低回転からでも過給が可能でパワーを補えるため、スポーツカーや高性能車で即応性とパワー向上の効果が得られます。 まとめますと、概ね以下のようになります。    

燃費は、車の重量、エンジンの設計、運転条件、メンテナンスの状態などによりますが、一般的な傾向としては、自然吸気エンジンはシンプルな構造で燃費が良いとされ、ターボチャージャーは小排気量で高出力を実現するために燃費性能を向上させるために使用されることが多く、スーパーチャージャーは、低回転からのレスポンスが良い反面、エンジンの出力を過給に使うため、燃費が若干悪くなる傾向にありますが、燃費性能の向上でターボやスーパーチャージャーを採用している例もあり、具体的な燃費比率については、各メーカーの公式情報をご参照ください。



近年進化したターボ(過給器)


前述の通り、昔のターボエンジンは高回転域のパワーを求めていたので燃料消費も多く、圧縮比も低くて燃費が悪く高出力を狙うために大きなターボを採用していたため、ターボラグも大きく癖があった。 しかしながら、現代のターボエンジンはピークパワーよりもむしろ、低中回転域のトルクを重視する傾向が強く、かつてのように2.0リッターの排気量で4.0リッターの出力を目指すのではなく、出力は2.5リッターで充分。そのかわり大きなトルクを低い回転で出す方向となっています。 過給圧を高くしなくていいのでターボは小さくて済むし、小さいから応答性も高くてターボラグの面でも有利で、低い回転で充分な力が出るので扱いやすく、高速走行時も高回転まで回さずに済むので燃費が良くなっています。 さらに自然吸気エンジンに対してはターボチャージャーやインタークーラーの追加が必要なのでコスト増の要因になるものの、2.0リッターだった排気量を1.2リッターにしたり、6気筒だったのを4気筒にしたりすることで、『部品点数が減り』『コストを下げられる』、ゆえにターボの採用が増えてきました。 現代のターボは、高出力化だけを狙った装置ではなく、トルクと燃費、扱いやすさのための手段に変わったと言えます。

ターボ


まとめ


このように、昔のターボ車と今のターボ車の乗り心地にはいくつかの違いがあり、技術の進歩で現代のターボ車は多くの面で改善されています。 1980年代の高性能モデル車に搭載されハイパワーの象徴だった『ターボ』の印象と違い、最新のターボ技術が進化し、ターボラグの軽減やエンジンの応答性が向上し、運転中には、スムーズな加速と力強いトルクを感じられる一方で、エンジンの小さな排気量からは想像もつかないほどのパフォーマンスを実現しています。 そのためダウンサイジングターボの車に乗っていても、その存在に気づかないほど自然な運転感覚であるユーザーも多いのではないのでしょうか?


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