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ディーゼル車の評判は?メリット、デメリットも解説

ハイブリッド車やEV(電気自動車)が当たり前のように走っている現在では、いまさらディーゼルエンジンの需要はないのでは?と思いがちです。しかし実は、ディーゼルエンジンも目覚ましい進化を遂げており、近年非常に注目を浴びています。そこで今回は、ディーゼルエンジンのメリット&デメリットと、欧州自動車メーカーも力を入れているクリーンディーゼルの魅力、さらには搭載モデルの一部をご紹介します。
ディーゼルエンジンとは
ディーゼルエンジンとは、軽油を燃料とする内燃機関のことで、ガソリンエンジンはガソリンを燃料として使うという大きな違いがあります。
ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの基本構造にはそれほど違いはありませんが、燃料である軽油は着火しにくく、ガソリンエンジンのようにスパークプラグの点火によって燃やすのではなく、高い圧縮比によって燃料を自然着火させます。
ディーゼルエンジンのメリット
ディーゼルエンジンのメリットはなんと言っても燃費性能が良いということがあげられます。更には、軽油はガソリンに比べて税金が安いため、普段の燃料費もディーゼル車の方が安くなります。
(例)燃料を0から満タンにした場合の燃料代
(タンク容量50L・レギュラー価格120円・軽油価格100円の場合)
ガソリン車は6,000円、ディーゼル車は5000円と大きな差が出てきます。
そのため、距離をたくさん乗る場合はディーゼルエンジンのメリットを享受できるでしょう。
更に、マツダのCX-8の同じグレード、ターボモデルであるディーゼル車の「XD L Package」とガソリン車の「25T L Package」を比較すると以下のようになります。
エンジン種類 | ディーゼル車 | ガソリン車 |
---|---|---|
グレード | XD L Package | 25T L Package |
車両本体価格(消費税込) | ¥4,434,100〜 | ¥4,352,700〜 |
エンジン総排気量(cc) | 2,188 | 2,488 |
車両重量(kg)※標準仕様 | 1,830 | 1,810 |
エンジン最高出力(kW<PS>/rpm) | 140〈190〉/4,500 | 169〈230〉/4,250 |
エンジン最大トルク(N・m<kgf・m>/rpm) | 450〈45.9〉/2,000 | 420〈42.8〉/2,000 |
WLTCモード燃費(km/L) | 15.8 | 12.0 |
WLTCモード燃費 市街地モード(km/L) | 12.8 | 8.9 |
WLTCモード燃費 郊外モード(km/L) | 15.5 | 12.2 |
WLTCモード燃費 高速道路モード(km/L) | 17.8 | 14.0 |
ディーゼルエンジンの燃料である軽油はガソリンと同じようにガソリンスタンドで給油ができるため、日常使いでも特に支障はありません。
また、圧縮率が高いことから大きなトルクを発揮しやすく、アクセルを踏んだときの出足の加速感はガソリンエンジンよりも優れています。
ディーゼルエンジンのデメリット
ディーゼルエンジンのデメリットは、車両本体価格が若干高くなるということです。
先ほどの表を見ると、ガソリン車よりも8万円ほど高いのがわかります。
ただしクリーンディーゼルの場合は自動車重量税が、2021年4月30日の新車登録分まではエコカー減税として100%免税で、自動車税環境性能割の税率も非課税と税制面での優遇措置があるため、そこまで購入価格は意識しなくても良いかもしれません。
ディーゼルエンジンは高圧縮に耐えるように頑丈に作るため車両重量が増えてしまいます。また、振動やノック音が出やすく、高回転まで回す高速走行には向いていません。
更に、ディーゼルエンジンはオイル交換の目安が3ヶ月〜6ヶ月もしくは、3,000km〜5,000kmとガソリン車に比べて短く、オイル代も高額になるためメンテナンス費用が高いのもデメリットと言えるでしょう。
クリーンディーゼルエンジンとは?
従来のディーゼルエンジンはススの原因でもある黒煙を排出し、振動やノック音も大きく社会問題にもなっていました。2003年にはディーゼル車規制条例が制定されたことにより、一部の都市では基準を満たしてないディーゼル車の走行が禁止になりました。
そこで粒子状物質(PM)や窒素酸化物(NoX)の排出が少ないクリーンディーゼルエンジンが開発されたのです。
日本では乗用車にクリーンディーゼルを採用しているメーカーはまだまだ少ないですが、欧州では高級セダンにも採用されているほど、クリーンディーゼル先進国なのです。
ここではクリーンディーゼルエンジンを搭載した最新のエントリーモデルを何台がピックアップしました。
メルセデス・ベンツ「A200d Sedan」
メルセデス・ベンツでは車名に「d」と表記があるモデルが、クリーンディーゼルです。エントリークラスであるAクラスにもガソリンエンジンとクリーンディーゼルエンジンの設定があります。
「A200d Sedan」は環境性能とパワーを高レベルで両立させた2リッター4気筒直立ターボディーゼルエンジンを搭載し、シリンダーコーティングによるフリクション低減により、アクセルを踏み込めばスムーズな吹き上がりと力強いトルクを発生させます。
車種 | A200d Sedan |
---|---|
車両本体価格(消費税込) | ¥4,200,000 |
エンジン総排気量(cc) | 1,494 |
WLTCモード燃費(km/L) | 18.8 |
メルセデス・ベンツでは日本初のクリーンディーゼル・プラグインハイブリッド「E350de」もあります。短い距離は電気モーターで走り、長距離や高速走行ではクリーンディーゼルエンジンという使い方が可能です。ディーゼルエンジンのハイブリッド車というのは非常に珍しいモデルになります。
BMW「218d グランクーペPlay Edition Joy+」
BMWもクリーンディーゼルエンジンのモデルには「d」が付き、なかでもEdition Joy+は、日本国内において環境負荷低減をさらに進めるために、クリーンディーゼルエンジンを搭載したモデルを対象として、通常モデルよりも一部装備を変更することで価格を抑えたモデルです。
「218d グランクーペPlay Edition Joy+」に搭載されるのは直列4気筒DOHCディーゼルエンジン。駆動はBMWのクーペでは珍しいFFですが、電子油圧制御式8速ATとの組み合わせでスポーティな走りを実現しています。
車種 | 218d グランクーペPlay Edition Joy+ |
---|---|
車両本体価格(消費税込) | ¥4,200,000 |
エンジン総排気量(cc) | 1,995 |
WLTCモード燃費(km/L) | 17.1 |
アウディ「Q3 35 TDI quattro advanced」
1989年に乗用車としてアウディ初の直噴ディーゼルターボエンジン搭載モデルを発売し、TDIは高性能なクリーンディーゼルエンジンの代名詞にもなりました。
その中でもエントリーモデルである「Audi Q3 35」には、ガソリンエンジンのTFSIと TDI を用意していて、TDI quattro advancedに搭載されるのは、直列4気筒ディーゼルターボ。
Sトロニックと呼ばれる7速デュアルクラッチトランスミッションや、電子制御式油圧多板クラッチを採用した、quattro(クワトロ)=フルタイム四輪駆動システムを組み合わせ、安定した加速とコーナリングを実現しています。
車種 | Q3 35 TDI quattro advanced |
---|---|
車両本体価格(消費税込) | ¥5,130,000 |
エンジン総排気量(cc) | 1,968 |
WLTCモード燃費(km/L) | 15.4 |
WLTCモード燃費 市街地モード(km/L) | 11.9 |
WLTCモード燃費 郊外モード(km/L) | 15.2 |
WLTCモード燃費 高速道路モード(km/L) | 17.7 |
マツダ「MAZDA 2」
国産車の中でもセダンやSUVにも積極的にクリーンディーゼルエンジンを取り入れているのがマツダです。
マツダのクリーンディーゼルエンジンであるSKYACTIV-Dは、アクセル操作に正確に反応し、思い通りに加速する新技術「DE精密過給制御」や、ノック音を抑えエンジンの音質を向上させた「ナチュラル・サウンド・スムーザー」「ナチュラル・サウンド・周波数コントロール」など、ディーゼルエンジンでも走る喜びを与え、優れた燃費性能も実現しています。
車種 | MAZDA 2 |
---|---|
車両本体価格(消費税込) | ¥1,903,000 |
エンジン総排気量(cc) | 1,494 |
WLTCモード燃費(km/L) | 21.6 |
WLTCモード燃費 市街地モード(km/L) | 18.1 |
WLTCモード燃費 郊外モード(km/L) | 21.3 |
WLTCモード燃費 高速道路モード(km/L) | 23.8 |
三菱自動車「エクリプス クロス」
環境性能と動力性能を両立した、コモンレール式燃料噴射のクリーンディーゼルターボエンジンを搭載したのが「エクリプス クロス」。排出ガスをクリーンに浄化する「尿素SCRシステム」を採用し、尿素水溶液AdBlueによって窒素酸化物を安定して浄化します。
最適な回転域をキープできる8速スポーツモードA/Tとの組み合わせにより、低速からなめらかで力強い加速を実現しています。
車種 | エクリプス クロス M |
---|---|
車両本体価格(消費税込) | ¥3,118,500 |
エンジン総排気量(cc) | 2,267 |
WLTCモード燃費(km/L) | 14.2 |
WLTCモード燃費 市街地モード(km/L) | 11.0 |
WLTCモード燃費 郊外モード(km/L) | 14.0 |
WLTCモード燃費 高速道路モード(km/L) | 16.4 |
まとめ
これまで日本国内においては、ディーゼル車の割合は多くありませんでしたが、
クリーンディーゼルによってイメージが払拭されたこともあり、輸入車を中心にクリーンディーゼル車に人気が集まっています。
そのため、個体差にもよりますが、売却時にディーゼル車の方がガソリン車よりも高い査定額が付くケースも多くあります。
一度、クリーンディーゼル車に乗ってみれば、燃費の良さや低速からの力強いトルクに魅了されることでしょう。